2007 年発表の第六作「Onirika」。内容は、物語調の穏やかでメロディアスなシンフォニック・ロック。いかにもなネオ・プログレッシヴ・ロック・スタイルではあるのだが、ゆったりと物語に身を任せられる。一つには、アンサンブルのバランスがよく演奏が安定しているため、そして、大きな流れから細部の表情まで抑揚の付け方が自然だからだ。そして、男声ヴォーカルがいい。期待を裏切る方向で唸らせるのではなく、オーソドックスなノリをきちんと守っている感じである。サックスに至っては、昔のフュージョン風ですらある。(GENESIS?、PINK FLOYD?、70 年代風で古臭いじゃん、といってしまえばそれまでですが) この微妙に懐かしい感じは、近年の LE ORME の作品と共通する。 心安らかになれる音楽であり、キーボード引き倒し路線からの進化としては上出来である。 今更ながらに、英国ロックがイタリア独特の審美センスのフィルターを通ると、また格別の音楽になることに驚かされる。 70 年代の黄金期然り、80-90 年代のポンプ・ロック・ムーヴメント然り、そして、2000 年以降のポスト・ネオ時代然りである。幻想が悪夢にならず、彼岸的な救済がある。ただし、ドラムスだけは、なるべく本職に任せましょう。ヴォーカルはイタリア語。